よもぎにフキノトウにクソニンジン、キク科に含まれるアルテミシニンがすごすぎる件

ヨモギの効果が凄すぎるらしいからアルテミニシンについて調べてみたんだけど、よもぎよりフキノトウとかそこらへんに生えてるクソニンジンっていうのの含有量が多いみたいです

キク科植物の二次代謝産物生産能とその利用

山菜の中には,キク科(Asteraceae)に分類されるものがいくつかあり,例えば,春を告げる代表的な山菜であるフキノトウ(Petasites japonicus)は,キク科フキ属に分類される.キク科植物は,二次代謝産物として独自の特徴的な骨格の化合物を産生する能力を持つことが知られる.その代表例が,2015年のノーベル医学・生理学賞の受賞対象となった,キク科ヨモギ属のクソニンジン(Artemisia annua)が産生するartemisininである.Artemisininは,分子内にendoperoxideを持つ三環性セスキテルペンラクトンであり,抗マラリア薬として用いられてきた.また,虫除けで用いられる除虫菊は,キク科ヨモギギク属のシロバナムシヨケギク(Tanacetum cinerariifolium)であり,活性成分としてピレスロイド系化合物を生産する.天然ピレスロイドは,特徴的なシクロプロパンカルボン酸骨格を持つ菊酸を構成単位とするエステルであり,昆虫に選択的な毒性を示すことから,安全かつ効果の高い殺虫剤として蚊取線香などに利用されてきた.そのほか食品に関連するものとして,キク科ステビア属のStevia rebaudianaには,砂糖の150~300倍程度の甘味を持つステビオシド(ステビオール配糖体)が含まれ,低カロリーの天然甘味料として用いられる.以上の例のように,キク科植物には生体分子と相互作用する特有の物質を生産するものが存在し,多様な用途で人類の健康と暮らしに貢献してきた.

キク科フキ属植物

フキ・フキノトウは,数少ない日本原産の食用植物の一つであり,山菜や野菜として古くから食されてきた.花蕾であるフキノトウと,葉柄(一般にフキとして食される部分)と葉身(緑の葉の部分)からなるフキは,地下茎で繋がっている.フキの根茎は,「蜂斗菜」という名称で生薬としても用いられてきた.国内に自生するフキ属植物はP. japonicusのみとされ,非常に大きなフキとして知られるアキタブキやその一種であるラワンブキは亜種(P. japonicus subsp. giganteus)と位置付けられている.その他には,セイヨウフキ(P. hybridus),タイワンブキ(P. tricholobus),ニオイカントウ(P. fragrans)など,世界には合計15種のフキ属植物が存在する(5)

フキ・フキノトウ(P. japonicus)の機能性については,多数の報告がある(6).ポリフェノールが豊富であり,多様な機能性が知られるクロロゲン酸やカフェオイルキナ酸類のほか,抗アレルギー作用を持つ特有のフキノール酸なども含まれている.また,特有のテルペノイドも含み,bakkenolide類の抗炎症作用や抗アレルギー作用(7, 8),petasin類の糖代謝・脂質代謝改善作用(9~11)等が報告されている.動物レベルでの効果を示した研究も多く,機能性素材としての実用性も優れていると言える.一方,機能性を担う成分や,それらの作用機序や構造活性相関等の分子機構については未解明な点が残されているのが現状である.

フキ・フキノトウの免疫調節作用

筆者らは機能性評価系として,岩手大学や広島大学等との共同研究により,数種の遺伝子変異酵母株を用いた機能性素材探索を行ってきた(12).この評価系は,ヒトの疾患にも関与する遺伝子変異により特定のストレス下で正常な生育ができない酵母株を利用し,その生育を回復させる活性を目視で検出できるポジティブスクリーニング系である.そのため,毒性が強い物質を除外できるほか,安価,簡便,短時間で有望なサンプルを選抜することが可能である.このうち,Ca2+シグナル伝達に関わる遺伝子変異株(YNS17株)は,高濃度(0.3 M)CaCl2存在下で増殖が停止するが,ヒトにおいても多様な疾患に関与するCa2+シグナル伝達の一部を阻害すると増殖が回復するという性質を持つ(13, 14).この系を用いることで,抗アレルギー作用を持つ久慈産琥珀由来のkujigamberol(15),糖尿病態改善作用を持つセリ科野菜由来のfalcarindiol(16)など,Ca2+シグナルが関与する病態に対して動物レベルでも効果を示す成分がこれまでに見出されている.

農林水産物抽出物ライブラリーから,Ca2+シグナル伝達に関わる遺伝子変異酵母株の生育を回復させるものをスクリーニングした結果,フキとフキノトウが最も明瞭な生育回復活性を示した.活性物質を単離精製し構造解析を行った結果,bakkenolide Bであると同定した.単離したbakkenolide BがYNS17株において濃度依存的な生育回復活性を示すことを確認した.本系においては,高濃度Ca2+非存在下でも生育回復活性を示す偽陽性が見られることもあるため,CaCl2を含まない条件での活性を調べたところ,bakkenolide Bは生育回復活性を示さなかった.このことから,bakkenolide Bの活性には確かにCa2+が寄与していることがわかった.Ca2+シグナル伝達には多数の因子があり,主要な経路の一つとしてCalcineurin経路が存在する(17, 18).T細胞では,この経路の活性化によりinterleukin-2等の炎症性サイトカインが産生し,アトピー性皮膚炎等の炎症に関与する(図1).本経路への作用の有無を検証することを目的とし,Li感受性を利用した実験を行った.酵母においては,CalcineurinがLiの細胞外排出に寄与する.そのため,Li存在下でCalcineurin経路が阻害されると,Liを細胞外に排出できなくなり致死となる(19).この現象を利用し,0.16 M LiClを含むYPD培地で培養した野生株に対してbakkenolide Bを作用させたところ,阻止円を生じたことから,この物質がCalcineurinまたはその経路を阻害することが強く示唆された.以上のように,酵母を駆使したスクリーニングと作用点推定により,bakkenolide Bの作用が明らかとなってきたため,続いてヒト細胞株を用いた作用の検証に着手した.

図1■Calcineurin経路を介したIL-2産生と疾患

ヒトT細胞株であるJurkatは,ホルボールエステルであるPMAとCa2+イオノフォアであるionomycinで刺激すると,Calcineurin経路が活性化しinterleukin-2を産生するため,本経路の解析でよく用いられる(20~22).Bakkenolide Bで前処理することにより,このように刺激したJurkatのinterleukin-2の遺伝子発現とタンパク質産生がともに濃度依存的に抑制された.このinterleukin-2タンパク質産生抑制作用のIC50は,6.3 µMであった.Bakkenolide Bの既報の生物活性と比較すると,Leeらにより報告されたRBL-2H3におけるLPSによるCOX-2及びiNOSの発現抑制活性はIC50=25.6 µM(7),Parkらにより報告されたマウスミクログリアにおけるLPSによる炎症性サイトカイン(interleukin-1β, interleukin-6, TNF-α)の産生抑制活性はIC50=20~40 µM(8)であり,今回のものはこれらより強い活性であった.Calcineurinは脱リン酸化酵素であるが,試験管レベルの酵素反応においてbakkenolide BはCalcineurinの酵素活性自体を阻害しなかったことから,細胞内では他のメカニズムで本経路を阻害していると考えられる.また,bakkenolide Bにはアセチル基とアンゲロイル基からなる2つのエステル側鎖が存在するが,これらを欠いた類縁物質であるbakkenolide Aもフキ・フキノトウから見出されている.Bakkenolide Aの活性を調べたところ,YNS17株における生育回復活性は示さず,Jurkatにおけるinterleukin-2産生抑制活性も弱かった(IC50=24.6 µM).したがって,bakkenolide類に共通の骨格(バッカン骨格)が活性に必須であり,エステル側鎖の存在により顕著に増強されるということが示された(図2(23)

図2■Ca2+シグナル伝達経路に対するbakkenolide類の活性

フキ・フキノトウの脂肪蓄積抑制作用

フキ・フキノトウの抽出物には,抗肥満作用があることが複数の論文で報告されている(24~26).本植物にはポリフェノールが非常に豊富に含まれることから,それが活性に関与しているとの推測もなされてきたが,活性成分については明確な報告がなかった.そこでまず,ポリフェノールの寄与を検証するため,乾燥させたフキノトウのメタノール抽出物とヘキサン抽出物を作製し,総ポリフェノール含量とマウス脂肪前駆細胞3T3-F442Aにおける脂肪蓄積抑制活性を比較することで,それらの相関を調べた.その結果,総ポリフェノール含量はメタノール抽出物のほうが4倍程度多かった一方で,脂肪蓄積抑制活性はヘキサン抽出物のほうが強かった.このことから,総ポリフェノールの多さだけでは活性を説明できず,低極性の活性成分が存在することが示唆された.フキ・フキノトウに多く含まれる低極性成分としては,前項で紹介したbakkenolide B等のテルペノイドが知られる.実際,フキ・フキノトウに含まれるテルペノイドであるS-petasinが,細胞レベルで脂肪蓄積を抑制することが報告されている(10).しかしながら,文献に記載されているデータによると,フキ・フキノトウに含まれるS-petasinの含量は非常に少なく,それだけでは抽出物の活性を説明できないことが判明し,主たる活性成分は他に存在することが強く示唆された.Shibataらは,フキ・フキノトウの主たるテルペノイドとして,bakkenolide Bのほか,bakkenolide A, fukinone, isopetasinを報告している(27).加えて,S-petasinと類縁のpetasinがエネルギー代謝のセンサーとして機能するAMP-activated protein kinase(AMPK)を活性化する成分として報告されていた(9).そこで,これら5化合物に着目し,脂肪蓄積抑制活性を調べた結果,2 µMの濃度でpetasinのみが強い活性(IC50=0.95 µM)を示すことを見出した(図3).HPLCで定量を行った結果,上記で用いたフキノトウのヘキサン抽出物1 g中には,petasinが107.82 mg含まれていた.ヘキサン抽出物による脂肪蓄積抑制活性のIC50は3.15 µg/mLであり,この中に含まれるpetasinの濃度は1.07 µMと算出される.これは,petasin単独でのIC50と同等(0.95 µM)であることから,細胞レベルでの脂肪蓄積抑制作用を担う成分がpetasinであると結論付けた.

図3■Petasinによる脂肪滴形成阻害作用

Petasinの構造活性相関について情報を得ることを目的とし,類縁化合物であるisopetasin並びにpetasolとの活性比較を行った.2 µMにおけるこれら3化合物の活性を測定すると,petasinのみが脂肪蓄積を抑制したことから,11–12位の二重結合とangeloylエステルの両方を持つことが活性に必須であることが明らかとなった(図3).

脂肪前駆細胞が成熟脂肪細胞に分化すると,peroxisome proliferator-activated receptor γ(PPARγ),CCAAT/enhancer-binding protein α(C/EBPα),adipocyte protein 2(aP2)等がマーカータンパク質として発現上昇する(28).Petasinは,脂肪蓄積を抑制するのと同等の濃度で,これらのmRNA発現を抑制した.この作用も,3種の類縁物質のうちpetasinのみが示した.脂肪細胞分化においては,多数の因子が関与することから,それを抑制する分子メカニズムも多様である.例えば,コーヒー抽出物(29, 30)や,食用ほおずきの一種Physalis peruvianaに含まれるwithanolide類(31)は,分化の初期段階(insulin, dexamethasone, IBMX刺激による分化開始段階)に作用させるだけで,成熟脂肪細胞への分化を完全に抑制することが報告されている.一方,petasinはそれらとは異なり,初期段階における作用のみでは分化を十分に抑制することができず,むしろ後期段階(insulin刺激による成熟段階)だけに作用させることで効果的に抑制することが判明した.分化後期段階においては,脂肪酸合成と脂肪滴の肥大化が進行する.前述のように,petasinは動物レベルでAMPKを活性化することが報告されている(9).AMPKが活性化(リン酸化)されると,糖代謝や脂質代謝が改善される.AMPKの活性化を抗リン酸化AMPK抗体を用いたwestern blottingにより評価した結果,petasinのみが明確にリン酸化を促進し,isopetasinとpetasolには活性が見られなかった.AMPKは,脂肪細胞分化における脂質合成に寄与し,acetyl-CoA carboxylase 1(ACC1),fatty acid synthase(FAS),stealoyl-CoA desaturase 1(SCD1)のような主要因子の発現を調節する(32).PetasinはこれらのmRNA発現も抑制したことから,脂質合成を抑制することで脂肪滴の蓄積を抑えるものと考えられた(33)

以上より,フキノトウは脂肪蓄積を抑制するpetasinを含有し,抗肥満作用を有する素材として有望であることが明らかとなった.ところが,フキ・フキノトウを利用する際に注意が必要な成分として,肝毒性等が知られるピロリジジンアルカロイドが存在する(34~36).農林水産省では,平成27~29年に市販のフキ・フキノトウを対象としたピロリジジンアルカロイドの含有実態調査を実施し,結果を公表している(37).日本における古くからの食経験の中で,フキ・フキノトウを食べたことによると考えられる健康被害は報告がない.しかし,乾燥粉末やエキスとして濃縮したものを食品素材として利用する場合には,ピロリジジンアルカロイドの過剰摂取とならないようにする必要がある.そこで,汎用される6種の有機溶媒を用いてフキノトウの抽出物を作製し,petasinとピロリジジンアルカロイド(petasitenine, neopetasitenine, senkirkine)の含量を定量した.その結果,petasinは抽出溶媒の極性が低いほど抽出効率が高い傾向が見られ,特にヘキサンを用いるとエキス中のpetasin含量が10.78%にまで濃縮されることがわかった.一方,総ピロリジジンアルカロイドは,メタノール,ブタノール,ヘキサンで抽出した場合が比較的低含量であることが示された(33).以上より,食品素材やスキンケア素材の作製でも用いられる無極性溶媒であるヘキサンを用いることで,petasin含量が最大で,かつピロリジジンアルカロイド含量が低く抑えられたエキスが得られることが明らかとなった.海外においては,petasinを含む西洋フキP. hybridusの葉を原料とした超臨界二酸化炭素抽出物(Ze 339)がアレルギー性鼻炎の治療に用いられている(38, 39).超臨界二酸化炭素は,ヘキサンと同様に無極性の溶媒として振る舞うため,petasinのような低極性成分の抽出に適していると同時に,高極性のピロリジジンアルカロイドの含量を低減することができると考えられる.

キク科コウモリソウ属植物

同じくキク科に分類される山菜として,コウモリソウ属(Cacalia)のモミジガサ(C. delphiniifolia)とヨブスマソウ(C. hastata)がある.これらは,岩手県や秋田県を中心に春の代表的な山菜として親しまれており,それぞれシドケ,ボウナとも呼ばれる.特有の風味があり,5月頃に食される人気の高い山菜である.コウモリソウ属植物は,世界に約80種が存在するとされる(40).他に和名があるものとしては,カニコウモリ(C. adenostyloides),ミミコウモリ(C. auriculata),ヤマタイミンガサ(C. yatabei)などがある.(コウモリソウ属の学名はCacaliaが用いられてきたが,現在はParasenecioが採用されている.しかしながらあまり定着しておらず,現在もCacaliaとして記載されている場合が多いようである.本稿では,筆者らが発表した論文(41)における記載に合わせCacaliaに統一した.)

コウモリソウ属においては,成分研究が古くから行われており,特徴的なフラノエレモフィラン骨格を有するセスキテルペノイドが含まれることが知られる(40).一方,それらの生物活性については報告が極めて少ない.モミジガサには,主たるテルペノイドとしてフラノエレモフィラン骨格を持つcacalolが含まれる.Shindoらにより強力な脂質過酸化抑制作用(42)が報告されたほか,Liuらによる乳がん細胞に対する増殖抑制作用等の報告(43)がある.また,筆者らのグループではモミジガサに含まれるビサボラン型セスキテルペノイドである3,6-epidioxy-1,10-bisaboladiene(EDBD)の抗がん作用についても研究を進めてきた.EDBDは,artemisininと同じく分子内にendoperoxideを持ち,細胞に対して酸化ストレスを誘導する.また,マウス異種移植モデルを用いたin vivo実験において,EDBDの投与によりメラノーマの腫瘍増殖が抑制されることも見出した(44, 45).このように,コウモリソウ属山菜も機能性成分の探索源として有望であると考えられた.

モミジガサとヨブスマソウのメラニン産生抑制作用

前述の農林水産物抽出物ライブラリーから,食品素材だけでなく,スキンケア素材として有望なものの探索も行っている.スキンケア関連の機能性の一つとして,メラニン産生抑制活性がある.マウスメラノーマ細胞B16F10は,メラニン産生能を持つため細胞自体が黒色であるが,それを抑制する成分を作用させると黒色化が抑制される.すなわち,メラニン形成におけるいずれかの過程を阻害する成分を作用機序にかかわらず簡便に検出できるため,スキンケア製品において重要な機能性である美白効果を持つ素材の発見に繋がる.本評価系で,我々の農林水産物抽出物ライブラリーの一部を調べた結果,モミジガサとヨブスマソウがメラニン産生を抑制することを見出した.これらを含むコウモリソウ属植物によるメラニン産生抑制作用に関する論文報告は存在しなかった.ところが,特許を調査すると,ヨブスマソウのメラニン産生抑制活性に関するものが既にあり,その活性成分としてpetasinが同定されていた(46).上述したように我々はフキ・フキノトウからpetasinを単離していたため活性を調べたところ,確かにメラニン産生抑制活性が確認された.したがって,petasinがモミジガサやヨブスマソウのメラニン産生抑制物質であると当初考えられた.そこで,HPLCを用いて抽出物に含まれるpetasinの含量測定を試みたところ,ヨブスマソウのごく一部のロットに検出されるのみで,モミジガサにはまったく含まれなかった.Petasinを含まないサンプルもメラニン産生を抑制したことから,モミジガサとヨブスマソウには,明らかに未報告の活性成分が存在することが判明した.活性を示した抽出物には,モミジガサのPeak A,ヨブスマソウのPeak B及びCが共通して含まれていたことから,これらが活性に寄与していると予想し,単離,構造解析を行った(図4).その結果,モミジガサのPeak Aはcacalol,ヨブスマソウのPeak B, Cはそれぞれdehydrocacalohastin, cacalohastinであることが明らかとなった.単離したこれら3化合物は,いずれもメラニン産生抑制活性を有していた.化合物名を見てわかるように,これらはコウモリソウ属(Cacalia)に特徴的な物質であり,フラノエレモフィラン骨格を有している.汎用される既存の天然由来メラニン産生抑制成分としては,コウジ酸やアルブチンがあり,これらはそれぞれ0.5, 1 mM程度でメラニン産生を抑制した.一方,モミジガサとヨブスマソウから見出した3種の活性成分は,10~30 µM程度で抑制したことから,既存成分よりも低濃度で作用することが明らかとなった(41)

図4■モミジガサとヨブスマソウのメラニン産生抑制成分

以上より,山菜であるモミジガサとヨブスマソウが,有望なスキンケア向け美白素材としての可能性を持つことを見出したため,これらについても抽出溶媒の検討を行った.メタノール,エタノール,酢酸エチル,ヘキサンを用いて抽出物を作製し,活性成分の含量を測定した結果,溶媒の極性が低いほど含量が高いことがわかった.モミジガサとヨブスマソウの双方において,ヘキサン抽出物中には活性成分が約1割を占めており,簡便な方法で濃縮エキスを作製可能であることが明らかとなった(41)

クソニンジン[2](学名:Artemisia annua、中国名:黄花蒿[3]、英名:sweet annie, sweet sagewort[4])は、キク科ヨモギ属の越年草[5]。和名は、特異な異臭を持つこと、および葉がニンジンの葉に似ていることによる[6]

目次

特徴

全体に強い匂いがある[7][3][4]。茎は直立し、高さ 1 m から 2 m ほどになり[3]、無毛[8]。下部は太さ 1 ㎝ に達し[3]、木質化する[9]。上部ではよく分岐する[8]。若いときは緑色だが後に褐色になる[3][9]。葉は互生し[10]、長さは 2 – 7 ㎝。3回羽状に深く裂け、最終裂片は幅 0.3 mm 程度に細かくなる[8]。表面には微細な毛がある[7]。葉柄は長さ 1 – 2 ㎝ 程度で、基部は半ば茎を抱く[3]。下部の葉は花期に枯れる[5]。日照時間13.5時間を境とする短日植物であり[11]、花期は8 – 10月。大型の円錐花序に多数の頭花が付く[7]。頭花は下向きに付き、球状で直径 1.5 – 2.5 mm 程度[3]総苞片は3〜4層に並び、外片は細長く緑色、中・内片は長楕円形で周辺は半透明の膜質で中央部が緑色[8][3]。花は黄色の筒状花で腺点があり、頭花の中央部には両性花、周辺部には雌花が付く[8]。雌花は細い筒状で先端部が2 – 3裂し、花柱は花冠の外に伸びだし先端は2裂する[3]。両性花の花冠は5裂し、葯が合着した5本の雄蘂を持ち[9]、花柱は花冠とほぼ同じ長さになる[3]。自然界における受粉は虫媒および風媒である[11]。痩果は長さ 0.6 mm ほどで冠毛が無い[8]染色体数は、2n = 18[12]

分布

原産地はユーラシア大陸であり、アジアから東ヨーロッパにかけての広い地域に分布する[8][10]。中国では、道端や荒地から草原や半砂漠地帯まで全土に広く分布し、東部では標高 1500 m 以下、西部では 2000 m から 3000 m まで、チベットでは 3650 m の地点まで分布する[3]。 アメリカカナダにも導入され、ケベック州オンタリオ州および合衆国東部および中西部に至る広い地域に分布する[4]。日本には薬用植物として渡来し、現在は野性化して本州以南の畑、牧草地、荒地、市街地の道端などに生える[8]

利用

伝統的な中国医学では解熱に利用される[9]。1967年に始まった中国人民解放軍の軍事プロジェクトにおいて、クソニンジンのエーテル抽出物がマラリアに驚異的な効果をもたらすことが発見され、1972年にはその主要な有効成分としてアルテミシニンが同定された。その後、いくつかのプロジェクトによりアルテミシニンの合成は成功しているものの、複雑さやコスト高から、現在の所は、植物から分離するのがもっとも経済的とされる[13]

なお、アルテミシニンの発見者である屠呦呦は、抗寄生虫薬イベルメクチンの発見者であるウィリアム・セシル・キャンベル大村智と共に、2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞している[14]。 

2020年4月30日、マダガスカルアンドリー・ラジョエリナ大統領が、新型コロナウイルス感染症 の予防と治療に効くとして、クソニンジンを煎じたハーブティーCovid-Organics[15]をテレビカメラの前で飲み干してみせたことをきっかけに[16]、クソニンジンは新たな脚光を浴びることになる。

WHOは当初、新型コロナウイルス感染症の治療薬になり得るとうたわれている薬用植物については、効果や副作用、安全性などの試験が必要として、クソニンジンなどを用いた代替医療を巡り警鐘を鳴らしていたが[17]、2020年9月19日になって、一転して新型コロナウイルス感染症の治療法となる可能性があるとして、WHOはクソニンジンを含む薬草を用いた植物療法の臨床試験計画を承認した[18]

2021年1月8日、コロンビア大学ワシントン大学 、ウースター工科大学の研究者らは、熱湯で抽出したクソニンジンの葉のエキスが新型コロナウイルスに対し抗ウイルス活性を示したことを発表した[19][20]

ただ、本研究においては、抗マラリア薬であるアルテミシニン加工薬のアーテスネートアルテメター、ジヒドロアルテミシニンは、いずれも新型コロナ・ウイルスには効果がなかったとされており、抗ウイルス活性を示したのはクソニンジン乾燥葉の熱湯抽出物であった[20]。このことから、研究グループのパメラ・ウェザーズ代表は、クソニンジンはおそらくアルテミシニンの効力によって新型コロナウイルスに効果を示しているのではなく、自ら含有するなにか別の成分の組み合わせによって作用を及ぼしていると指摘する[19]。今後の動向が注目される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/クソニンジン

クソニンジンをお茶として利用できればお茶代浮くし薬代も浮きますね

養命酒さんがいい記事あげてくれてるので、ご紹介

余談ですが、我が家ではカレーに隠し味で養命酒を仕上げに入れます。

味がしっかりするというか、ちょっとカレーのレベル上がった感じに仕上がるのでおすすめですよ

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